メンタルヘルスについて

メンタルヘルス最新情報

EAPの始まりは1950年代アメリカ


EAPとは、"Employee Assistance Program"略称で、「従業員支援プログラム」と訳します。
EAPは、1950年代、第二次世界大戦の帰還兵士に対するケアが始まりと言われています。
ベトナム戦争後、後遺症を抱える兵士たちをはじめ、不況やリストラ等により麻薬依存やアルコール依存、うつ状態の人々が爆発的に増加したことでその波紋が産業界にも及び、労働者の生産性も低下の一途を辿りました。
そのような混乱状態にあったアメリカにおいて、復活に寄与したのがEAPと言われています。
日本でも1980年代以降徐々に浸透し、近年では健康増進や法令遵守、組織的なメンタルヘルス対策の推進など様々な目的のためにEAPを導入する企業が増えています。
(参考:EAP総研)


本場アメリカでは95%の企業が導入


アメリカにおいてEAPの効果と信頼性は大きく認められており、経済誌「Fortune」が選んだ大企業(国内優良企業ベスト500社)の95%が導入しています。

<EAPサービスの例(2011.アメリカ合衆国労働省)>
・メンタルヘルス関連サービスの提供や医療紹介
・薬物乱用やアルコール乱用関連サービスの提供や医療紹介
・離婚や養育などの個人的な問題へのサービスや紹介
・生活支援についての情報提供(老親介護やファイナンシャルプランニングなど)
・健康づくり支援(禁煙や減量など)
・キャリアカウンセリングなどの職業的支援


企業のメンタルヘルス対策への取り組み状況


日本でEAPの導入が盛んになった背景には、さまざまな労働環境の変化にともなう従業員のストレス状態の悪化があります。
先行き不透明な経済状況や金融危機などによる世界的な景気後退、成果主義の導入、終身雇用の崩壊、経済のグローバル化、コンプライアンス重視、IT化など。
企業をとりまく環境の変化により、従業員の心理的負担は増大の一途をたどっています。
仕事や職業生活に「強い不安・悩み・ストレス」を感じている者の割合は、52.3%。
内訳は以下のようになっています。(厚生労働省「H25労働者健康状況調査」)

ストレス内訳.png

特徴は「会社に知られない」こと

EAPの一番の特長は、「外部機関が実施する」という点です。
仕事をする上でのストレスや悩みだからこそ、社内の人には知られずに相談したいというケースも多いでしょう。
また、病院や有料カウンセリングを受けるのは敷居が高いというケースにも有用です。
職場の福利厚生サービスとして従業員が自己負担無しで自由に気軽に相談できる場があるという安心感が、心身の不調の早期発見・早期対応につながります。


EAPのメリット
・職場に知られずに相談ができる
・無料で専門家のアドバイスを聞くことができる
・従業員満足度、生産性の向上
・企業イメージの向上

しかし一方で、EAPの普及に伴い、その利用の難点を指摘する声も増えてきています。


EAPのデメリット
・利用率が低い
・相談対応者が医療専門職でない場合がある
・基本的に電話・メールのみでの相談となり、対面での相談ができない
・企業側は相談内容を把握できないため、具体的な対策を講じることが難しい
・利用率の割にコストが高い


「過労死」「過労自殺」「ストレスチェック」等のトピックからも見られるように、はたらく人々を取り巻くメンタルヘルスの問題は増加し続けています。
EAPの導入が解決の一助となり得るのか、今後も動向に注目する必要がありそうです。


産業保健新聞

2016年05月27日産業保健新聞(2016年05月23日)

社員のストレスチェック受検率が低い――それって問題?

昨年12月からストレスチェック制度が施行されました。

常時労働者が50名以上の事業場では、1年以内(平成28年11月末まで)にストレスチェックを実施する義務があります。

既に実施した企業もあると思いますが、これから実施する企業が多いのではないのでしょうか?

今回は、これからストレスチェックを実施する企業の担当者の方が疑問に思うであろうことについてアドバイスしていきます。 


社員のストレスチェック受検は自由  


ストレスチェックの実施は、常時労働者が50名以上の事業場において実施義務がありますが、労働者に受検義務はなく、受検は自由です。

そのため、就業規則で受検を義務付けたり、受検しない労働者に懲戒処罰を行ったりするような、受検を強要することは、行ってはいけません。
 

とはいえ、企業としては、受検率が低くとどまるようなことは避けるべきです。

労働者が自分のストレス状態を知り、企業が自社の職場環境の状態を知り、それらの改善につなげるという本来の目的のためには、ぜひとも受検率100%を目指したいところです。


ちなみに、厚生労働省が発表した「外部機関によるストレスチェックに関する実態調査結果の概要」によると、

平成26年9月に独立行政法人 労働者健康福祉機構の登録相談機関(心の健康に関する相談を行う専門機関)及び日本EAP協会の実施したストレスチェックに関するアンケート調査へ回答のあった20機関のうち、半数の機関で受検率は90%以上だったと報告されています。
(内訳:受検率90%以上:11機関 (55%)、80%以上:3機関 (15%)、70%以上:4機関 (20%)、その他2機関 (10%)

どの企業も、少なくとも90%以上の受検率を目指していくべきではないでしょうか。
 
受検率の高低は問われないものの...
 
ただし、現在のところ、ストレスチェックの受検率に関して労働基準監督署から指導が入るということはありません。

企業は面接指導の実施後に、ストレスチェックと面接指導の実施状況を労働基準監督署に報告します。

その際に提出する「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」には、受検率の記入欄はなく、

「検査を受けた労働者数」「面接指導を受けた労働者数」などの記入欄があるのみです。

では、事業者は、どのくらいの頻度・程度で受検勧奨を行うのが妥当なのでしょうか?

厚生労働省は、受検勧奨の妥当な程度は、それぞれの企業の状況により異なるため、方法・頻度については、衛生委員会等で調査審議をして決めるよう通知しています。 

企業ごとの積極的な対応が求められているといえます。


ストレスチェックは、メンタル不調を未然に防止する「一次予防」となります。

社員一人ひとりが生き生きと働き、社会がますますゆたかになっていくために、ぜひとも実効性を高めていきたいところです。

始まったばかりの制度のため、まだまだ馴染みにくいこともあるかもしれませんが、できるだけ前向きに取り組んでいくことをおすすめいたします。

けれども今後、報告書のフォーマットが変わり、受検率が問われるようになる可能性もあり得ます。
 
あきらめずに受検勧奨していきたい  

では、事業者は、どのくらいの頻度・程度で受検勧奨を行うのが妥当なのでしょうか?
 

厚生労働省は、受検勧奨の妥当な程度は、それぞれの企業の状況により異なるため、方法・頻度については、衛生委員会等で調査審議をして決めるよう通知しています。
企業ごとの積極的な対応が求められているといえます。 

ストレスチェックは、メンタル不調を未然に防止する「一次予防」となります。 
 

社員一人ひとりが生き生きと働き、社会がますますゆたかになっていくために、ぜひとも実効性を高めていきたいところです。


始まったばかりの制度のため、まだまだ馴染みにくいこともあるかもしれませんが、できるだけ前向きに取り組んでいくことをおすすめいたします。
 

産業保健新聞

2016年05月02日産業保健新聞 2016年04月25日

活用したい公的なメンタル相談窓口

ストレスチェック制度が始まり、セルフケアやラインによるケアだけでなく、事業場外資源の活用を検討している事業場も多いのではないのでしょうか。
 
すでに保健師や精神保健福祉士といった医療職と契約し、メンタルヘルスの専門職が定期的に事業場へ訪問して従業員が自由に相談できる機会を設けている事業場もあれば、EAP機関と契約している事業場も増えているようです。
 
しかし、ストレスチェックが始まったからと言って、事業場での新たな取り組みを検討し、社内のシステムを変更するには、それなりに準備の時間も必要です。
かといって「準備が整うまで何もしないで放っておくわけにもいかない」と、多くの事業場では悩まれているのではないでしょうか?
そんな時は、公的機関の相談サービスを、従業員へ周知するのも一つの方法です。
 
公的機関の相談サービス

以下は、無料で利用できる相談機関の一部です。(予約や日時の制限があります)


独立行政法人労働者健康安全機構

こころの健康統一ダイヤル

働く人の悩みホットライン(日本産業カウンセラー協会)
 
社内体制が整うまでの対策として

本来であれば、相談を受ける方にも事業場の状況を把握してもらったうえで、従業員に対して的確なアドバイスをしてもらうことが必要です。
また、従業員が感じる「働き辛さ」を事業場が知ることは、職場のあり方や業務体制を見直す機会となり、働きやすい環境づくりに繋がるでしょう。
 
事業場がメンタルヘルスの専門職を導入する際には、産業医との連携が必要不可欠となります。
今後は、医療職が連携した「企業をサポートする体制づくり」が必要になるでしょう。
 
しかし、社内の体制が整うまでの間、従業員が利用可能な情報を知らせることは事業場としての責任でもあります。
今後のメンタルヘルス対策として、このような社会資源があることの周知から取り組んでみてはいかがでしょうか?
  
産業保健新聞

2016年04月15日産業保健新聞 (2016年04月14日)

ストレス社会の象徴 「適応障害」とは

適応障害という言葉を、最近よく耳にするようになりましたね。
適応障害とは文字通り、「適応への障害」のことを指し、社会的環境へうまく順応できないことにより引き起こされます。特定の環境や状況がその人にとって耐えがたいストレスに感じられ、その結果気分や行動に症状が現れます。

適応障害の症状 


適応障害の症状として、下記のような情緒面の症状が挙げられます。
不安、怒り、焦り、緊張、気分の落ち込み、意欲低下
また行動面では、暴飲暴食、無断欠席、喧嘩などの攻撃的な行動がみられることもあります。
適応障害の特徴として、その原因となっているものから離れると、症状が改善することが多く見られます。職場がストレス因となっている場合、勤務する日には憂うつな気持ちになったり、緊張して手が震えたりいう症状を発症しますが、休みの日には上記のような症状がなく、休日を楽しめることも多いのです。 
 
適応障害の原因


適応障害を発症する原因の多くは職場での環境や出来事にあり、具体的な例として以下のようなものが挙げられます。
・職場の人間関係
・責任の重さ
・仕事量
・異動や昇進による環境の変化

ただ、同じ環境下で同様のストレスを受けたとしても、適応障害を発症する人もいれば、そうでない人もいます。ストレス因を、その人がどのように捉え、解釈するかによるところが大きいのです。 
 
適応障害の治療


適応障害の治療法として、主に次の2つが挙げられます。 


1.原因であるストレスを取り除く
適応障害は、本人がそのストレス因が何であるか明確に自覚していることが多く、その原因を遠ざけたり、取り除いたりすることで、症状の改善が見られることが多くあります。職場で適応障害を発症してしまった場合、まずは周囲に相談をするなどし、原因となるものの解消を目指しましょう。
ただ、仮にそのストレスが完全に消えてなくなったとしても、その本人のストレスへの対応力が無ければ、適応障害を再発する危険性が十分にあります。そのため、原因の除去と並行して、次のような対処が望まれます。

2.ストレスへの適応能力を高める
適応障害を発症した本人が、その原因に対してなぜ過剰なストレスを感じ、心のバランスを崩してしまったのか、その背景について考察する必要があります。
カウンセリングなどを通し、自身がどういったストレスに弱いのか理解をし、アプローチをしていくことで、適応能力を高めていくことが必要になります。
 
おわりに 

適応障害を予防するためにまず実践したいのは、問題や支障が起きたら、適切な相手に相談するということです。
自分だけで何とかしようとせずに早期に相談をすることで、大事に至らずに問題解決につなげられることが多くあるのです。
また、まわりで適応障害かな?という人がいたら、積極的に相談に乗ったり助言をするなどして一緒にストレスに対処していくことが必要です。 

産業保健新聞

2016年03月23日産業保健新聞 (2016年03月22日)

ストレスチェック制度で保存すべき重要エビデンス

追加されたエビデンス


元来の産業保健の中で利用されていた書類に加え、ストレスチェック制度でも新たにエビデンス(証拠)としての書類が追加されております。


その中には保存が義務付けられている重要な書類もあります。
ここではストレスチェック制度に関する書類をまとめてみます。


①衛生委員会の議事録・・・3年間保存【義務】
ストレスチェック実施に関わる方法や期間等を衛生委員会で調査審議を行ったことの記録です。


②ストレスチェックの受検結果・・・5年間保存【義務】
保存先 ⇒ 実施者 または 実施者が指名した実施事務従事者
保存方法⇒ 紙媒体 または データ いずれでも可能


③事業者への同意に関するエビデンス・・・5年間保存【望ましい】ストレスチェック結果提供に関する労働者の同意書、面接指導申出書等です。


④面接指導結果・・・5年間保存【義務】


⑤集団分析結果・・・5年間保存【望ましい】


全て「5年保存」がおすすめ


上記書類のうち、①②④は保存が【義務】となっており、③⑤は【望ましい】となっております。


また、保存期間も3年あるいは5年と統一感がなく、さらにはストレスチェックの結果に関しては、外部委託が大半であると予測されるため、管理するサイド(主に衛生管理者)としては煩雑さがあります。


そこで、義務/任意いかんに関わらず、全ての保存期間を「5年間」とすれば、すっきりするのではないでしょうか。


ストレスチェックの制度において作成される書類には、非常に機微な情報が盛り込まれます。


長期間の管理を行わなければならないことを考慮して、安全に破棄を行うまでのスムーズなサイクルを事前に設定しておくことをおすすめします。


産業保健新聞

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